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よくある質問/Q&A

猫の尿石症についてのQ&A

Q1.猫の尿石症ってどんな病気?

Answer

猫のおしっこ(尿)のミネラル分が何らかの原因(食事内容や飲水量の影響など)で結晶化・析出化して結石・結晶が特に尿道をふさいだり、刺激して血尿や排尿障害を起こす病気です。

軽症から重症と症状には幅がありますが、重症の場合は尿道が完全にふさがってしまうと、腎機能が急激に低下して(急性腎不全)、早急に適切な処置を行わなければ短時間で生命にかかわる(死に至る)可能性もある恐ろしい病気です。

「おしっこくらい…」と軽く考えていると大変なことになります。
手遅れになる前に対処(獣医師に相談・受診)しましょう。

Q2.どんな猫がなりやすいの?

Answer

特に次の猫がなりやすい傾向にあります。

  1. 若齢(3~5歳頃)に多い。
  2. オス猫(ペニスの先端に結石・結晶がつまってしまう)。
  3. 肥満・運動不足(トイレに行かない・飲水に行かない)。
  4. ストレスがある(同上)。
  5. 飲水量が少ない(尿量が減り、尿が濃縮され析出しやすくなる)。
  6. 以前にも尿石症を患ったことがある(猫の尿石症の3~7割が再発)。

※3、4と同様の理由(トイレに行かない・飲水に行かない)により寒い冬期にも尿石症で来院される猫が多く見られます。

以上の猫の場合は、現在症状がなくても、すでに尿石症になっている場合があります。

Q3.チェックするポイントは?

Answer

先に述べた猫はもちろん、それ以外の猫でも次の項目に当てはまる症状があれば、できるだけ早急に獣医師に相談・治療しましょう。

  1. トイレに何度も行く。
  2. トイレに入っている時間が長く、にもかかわらず尿が出ていない。
  3. トイレではない場所での排尿(普段はきちんとできていたのに…)。
  4. おしっこが赤い(血尿)。
  5. 陰部をよく舐めている。
  6. 普段よりおしっこの量が少ない。
  7. おしっこの時、鳴いて痛がる(排尿痛がある)。

※1、2については「便秘」と見誤っている場合があります。
尿が出ているか必ず確認しましょう。

Q4.どんな尿石(結晶)がみられる?

Answer

尿石症は、尿検査で尿中の結晶を顕微鏡で詳しく見ることができ、診断・治療に役立ちます。

形成される尿石は様々ですが、主にはストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)と、シュウ酸カルシウムが一般的に見られ、猫で最もよく見られるのはストラバイト結晶(結石)です。

Q5.尿検査で尿ph値が8.0といわれました。ph値って?

Answer

phとは酸性度をあらわす数値で、低いほど酸性、高いほどアルカリ性となります。
正常の場合、猫の尿ph値は6.3程度といわれています。

アルカリ性だとストラバイト結晶ができやすくなり、逆に酸性だとシュウ酸カルシウム結晶ができやすくなるようです。

尿ph値は食事の内容によって左右されます。それぞれに見合った尿ph値にするため食事管理が重要になります。

Q6.尿石症と診断されたら?

Answer

家庭での飼育管理が重要になります。以下のことを心がけてあげましょう。

  • いつでも自由にたくさんお水が飲めるようにしてあげましょう。
  • おしっこが出ているか必ず確認しましょう。
  • 食事管理が重要です。獣医師の指導・指示守りましょう。
  • トイレは清潔に。
    汚れているとおしっこを我慢してしまい、尿結石・結晶ができやすくなります。

まとめ

最初のQ1でご説明したように、「おしっこくらい…」と放っておくと命にかかわる(あるいはその後の生活に何らかの支障をきたす)恐ろしい病気です。

少しでも気になることがあれば、すぐに動物病院に相談・受診しましょう。

ピースどうぶつ病院 0423168601

避妊手術についてのQ&A

Q1.どうして避妊手術をするの?

Answer

避妊手術の目的として、以下のようなことが挙げられます。

  • 永久的な避妊を目的として
    (ホルモン剤等による一時的な避妊方法もあります)
  • 乳腺腫瘍への影響
  • 子宮・卵巣および膣疾患の治療
  • 問題行動の改善

Q2.避妊手術はいつ行えばよいの?

Answer

以前は早期に避妊手術を実施すると、発育不良や排尿障害、免疫能の低下を招くなど、様々な合併症が生じると報告され、早期に避妊手術は行わない傾向でした。

しかし現在では、早期に行った場合とそうでない場合とでは、合併症の発生率に差は認められない、との報告がされています。

とは言え、実際は生後12週齢(3ヶ月齢)以前の若齢動物への全身麻酔手術は安全性に欠けるため、当院では生後6ヶ月齢前後に行うことをお勧めしています。

Q3.避妊手術をした年齢と乳腺腫瘍の発生率に関係があるって本当?

Answer

犬と猫における乳腺腫瘍の発生は、女性ホルモンに影響されます。

乳腺腫瘍の発生率と避妊手術の実施時期との関係は…

【犬の場合】
初回発情前:0.05%
2回目以前:8%
2回目以降:26%

との報告があり、避妊手術の実施時期が遅いほど腫瘍発生のリスクが増加します。

猫についても、若齢期に避妊手術を行うことで腫瘍発生率は1/7前後になるとされています。

これらから、犬と猫において乳腺腫瘍の発生に女性ホルモンが関与していることが示唆され、女性ホルモンに影響される期間が長いほど発生率も高まります。

Q4.生後どのくらいから発情するの?

Answer

品種によって多少異なりますが…
犬:6~15ヶ月
ほとんどは7~8ヶ月で初回発情を迎えます。
小型犬の方が早く、大型犬ほど時間がかかります。

猫:6~9ヶ月
長毛種の方が遅く、12~18ヶ月という報告もあります。

Q5.乳腺腫瘍以外に女の子特有の病気はどんなものがあるの?

Answer

女性には男性にはない卵巣・子宮および膣があります。
卵巣疾患・子宮疾患があり、ともに併発している場合が多く、どちらも避妊手術(卵巣・子宮全摘出手術)が治療の第一選択となります。

卵巣疾患はとくに「卵胞嚢腫」が多く認められるようです。
5歳以上の避妊をしていない雌犬に認められ、主な症状としては発情出血の持続、発情延長、乳腺の嚢胞状過形成などが認められます。

子宮疾患はとくに「子宮蓄膿症」が問題となります。子宮の中に膿が満たされた状態になり、通常は緊急手術(卵巣・蓄膿子宮摘出手術)となります。
内科療法だけでは改善は困難(ほとんど無理)です。
発情による女性ホルモンの影響により発情後は子宮内膜が細菌感染を起こしやすい状態となるために起こります。

主な症状として、元気・食欲の低下、多飲・多尿、腹部膨満、陰部からの排膿などです。
重度の場合は、低体温などのショック状態で来院される場合もあります。
発情後にこのような症状が認められたら、速やかに受診しましょう。
放っておくと生命にかかわる重篤な病気です。

犬や猫の卵巣・子宮の腫瘍の発生は稀で、猫の卵巣腫瘍はかなり稀です。

膣疾患も女性ホルモンの影響により発生するものがほとんどで、避妊手術を行うことで改善が見られます。

Q6.避妊手術をすると問題行動はなおるの?

Answer

雄の去勢手術と同様に避妊手術にも問題行動の改善が期待できることもありますが、雄の去勢手術に比べ、著しい反応(改善)は期待できないようです。
犬・猫ともに以下の問題行動の改善が報告されています。

【 犬 】
  • 発情期の尿マーキング
  • 発情期の放浪癖
  • 一部の不安行動
【 猫 】
  • 発情期の尿マーキング(95%で改善)
  • 発情期の鳴き声
  • 一部の不安行動

Q7.避妊手術後の体にはどんな変化が起こるの?

Answer

無事に避妊手術が終わって、元気に退院してきた後に体に起こりうる変化として…

  1. 肥満
  2. 尿失禁

が認められる場合があります。
いずれも卵巣から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンの分泌が無くなることで起こります。

1の肥満に対しては、食欲抑制効果のあるエストロゲンが分泌されなくなるため、体に必要なカロリーが15~25%減少します。避妊手術後は食事の量を1~2割減らしてみましょう。

2の術後尿失禁につきましては、避妊手術後11~20%で報告があるようです。
特に体重20kg以上、老齢犬の術後に多く発症する傾向があります(やはりなるべく早期の避妊手術が推奨されます)。
尿失禁が認められた場合は、内科的なエストロゲン療法等が有効となります(反応しない症例もあります)。

まとめ

避妊手術を行わなくても、上記に挙げた病気に必ずかかるというわけではありませんが、避妊手術をすることでそのリスクを減らすことができます。
以上のことを知っておいていただいて、ご家族・獣医師とご相談の上、ご判断下さい。
生後6ヶ月齢前後での避妊手術、それ以降でも、なるべく早期の手術実施をお勧めします。

ピースどうぶつ病院 0423168601

去勢手術についてのQ&A

Q1.どんな時に去勢手術は行うの?

Answer

去勢手術(精巣摘出手術)の目的は、

  • 避妊
  • 問題行動の治療
  • 男性ホルモンが影響する疾患の治療
  • 精巣腫瘍

が挙げられます。

Q2.去勢手術を検討中です。いつ行えばよいの?

Answer

以前は、雌の避妊手術と同じく、犬・猫ともに早すぎる去勢は、発育不良、失禁、排尿障害、免疫能の低下、問題行動、肥満を招くと信じられてきましたが、現在では生後3ヶ月齢以前に去勢を行ってもほとんど合併症を生じないと報告されています。

また、猫の尿石症による尿路閉塞につきましても、早期の去勢は発生率に影響しないとされています。

雄の犬・猫の性成熟は、それぞれ犬が6~12ヶ月、猫が9ヶ月と報告されています。
この時期には精巣において精子形成が認められ、男性ホルモンも分泌されます。

現在(米国)では、初年度ワクチンプログラムが終了した全身麻酔可能な生後6ヶ月齢までに行うことが推奨されています。日本では各動物病院の方針により推奨時期は様々です。

Q3.去勢することで問題行動は改善するの?

Answer

去勢手術で矯正が期待できる問題行動は以下のようなことで、記載した数値程度、問題行動を減少させると報告されています。

【犬】

  • 尿マーキング:60%
  • 放浪行動:90%
  • マスターベーション
  • マウンティング:80%
  • 一部の攻撃行動:75%

【猫】

  • 尿マーキング:90%
  • マスターベーション
  • 猫同士の攻撃行動(ケンカ)

しかし、矯正したい問題行動がある期間続いていた場合は、学習・習慣化が起きているため、去勢手術単独では消失しないこともありますが、減少は期待できます。

猫で去勢手術をすることで、ケンカによる咬傷が減り、FIVやFeLV感染のリスクが減ります。

Q4.男性ホルモンが関係する病気って何?

Answer

精巣から分泌される男性ホルモンであるアンドロジェン関与の病気として…

前立腺肥大症(良性前立腺過形成)

(犬の前立腺疾患は多いですが、猫では稀です。)

犬において最も多い前立腺疾患は「良性前立腺過形成」で、6歳以上の未去勢犬に多く見られます。
排尿困難(尿のしぶり)や血尿が見られます。
直腸検査・レントゲン検査で前立腺の腫大が診断できます。
去勢手術を行うことで、通常は2~3週間以内に改善されます。
内科療法もありますが、一般に効果は一過性なことが多く、去勢手術よりも効果は劣ります。

犬の前立腺の腫瘍もありますがほとんどが悪性の腺癌で、犬の前立腺癌は去勢手術に関係なく発生します。(去勢済みの犬の前立腺の異常は前立腺癌を強く疑います)

肛門周囲腺腫

肛門周囲にできる腫瘍も様々ですが、その多く(80%以上)は肛門周囲腺腫(良性)です。
雌でもまれに認められますが、高齢の未去勢犬で多く認められます。
腫瘤の摘出手術と去勢手術を行うことで90%以上が完治します。

肛門周囲にできる腫瘍は他に
「肛門周囲腺癌(悪性)」:ホルモンに関係無く発生
「肛門嚢アポクリン腺癌(悪性)」:雌に多いが、ホルモンの関与は不明
などの発生もありますが、いずれも発生はまれです。

会陰ヘルニア

肛門の片側あるいは両側の骨盤隔膜膜を構成する筋肉群が萎縮や欠損することで、そこにヘルニア孔が生じ、そこから直腸や膀胱などが脱出してしまう病気です。

直腸が脱出してしまうと排便困難、膀胱が脱出してしまうと尿道が屈曲して尿道閉塞になり、急性腎不全を起こして致命的になることもあります。
発生原因には不明な点もありますが、原因の一つとして男性ホルモンの影響が報告されています。 また、先にも挙げた前立腺肥大症(こちらも男性ホルモンが影響)も会陰ヘルニアを悪化させるようです。

症状は会陰部(肛門の両脇、片側の場合は右側が多い)がふくれてきます。
直腸や膀胱がヘルニア孔から脱出していればそれぞれ排便困難(排便時のいきみ)、排尿困難(尿閉)が認められます。 治療はヘルニア孔の整復手術と同時に行う去勢手術です。

Q5.停留睾丸といわれました、ほうっておいて大丈夫なの?

Answer

「停留睾丸」または「潜在精巣」といわれます。
潜在精巣とは・・・
犬の精巣は胎児期にはお腹の中に存在して、生後約30日で鼠径(そけい)管を通じて陰嚢内に収まるようになります。
これを精巣下降といいます。
生後2ヶ月齢以上になると、それ以上は下降しなくなり、それまでに陰嚢内に精巣が収まっていないものを「潜在精巣」又は「停留睾丸」といいます。

犬では、6ヶ月齢前後になるまでは潜在精巣(停留睾丸)と最終診断すべきでないとの報告もありますので、いずれにせよ去勢手術可能(全身麻酔可能)な生後6ヶ月齢前後までは様子を見ましょう。

潜在精巣は通常片側ですが、まれに両側の場合もあります。

潜在精巣は、陰嚢直前、鼠径部、腹腔内(お腹の中)のいずれかに存在します。
腹腔内:腹腔外(陰嚢直前・鼠径部)の確率は50:50であるとされています。

正常な精巣機能を発揮するためには、精巣の温度を体温より低く保つことが重要です。
正常であれば腹腔内から出て陰嚢内(体温より5~6C低い)に収まるべき精巣が、鼠径部皮下または腹腔内に存在することで正常な精巣機能が発揮できない、あるいは精巣腫瘍発生リスクが増加してしまいます。

精巣腫瘍の発生率は、
正常犬:鼠径部停留犬:腹腔内停留犬 = 1:4:9
とあきらかに危険率は増加します。

精巣腫瘍は9歳前後の中高齢犬にみられ、多くは良性腫瘍です。
しかしその中の「セルトリー細胞腫」は、腫瘍からのホルモン(エストロゲン)分泌により、女性化や非再生性貧血を起こすことがあり、良性であっても早急な治療を必要とします。

潜在精巣は遺伝的な問題と考えられているため、精巣腫瘍の発生率からも、なるべく早期に、両側の精巣の摘出(去勢手術)を行うことをお勧めします。
また、既に腫瘍化している場合は、一刻も早い精巣摘出手術が必要です。

まとめ

生後6ヶ月前後で仔犬・仔猫は大人(オス犬・オス猫)の身体に変化し始めます。
去勢手術をお考えであれば、初年度ワクチンプログラムが終了した後、生後6ヶ月齢前後に、一度獣医師に相談してみましょう。
それ以降の子でも、病気のリスクを減らすために去勢手術は有効です。
ご家族・動物病院でよく相談してみましょう。

その他、ご不明な点や心配なことがございましたら、お気軽にお問い合わせ、ご来院ください。

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